参考文献_

2010年11月15日 (月)

新刊案内 「これだけは知っておきたい日露戦争の真実」(高文研)

 昨年に続きNHKスペシヤルドラマ「坂の上の雲」第2部が、12月5日(日)から4回にわたって放送されます。
日露戦争の最大の“勝因”は何だったのか?最新の知見を活用して司馬遼太郎の『坂の上の雲』では描かれなかった、日露戦争を語る上で外せない重要なポイントを、軍事史研究の第一人者が最新の研究成果を盛り込んでやさしく解説しています。→●担当編集者より

Yamadanitiro1 これだけは知っておきたい日露戦争の真実

日本陸海軍の〈成功〉と〈失敗〉
山田 朗=著
●46判 192頁
●2010年11月15日発行
●本体価格1400円
●ISBN 978-4-87498-451-2

立ち読みコーナーから
「・・・日露戦争は〈成功〉の頂点、アジア太平洋戦争は〈失敗〉の最底辺、という具合に二項対立的に考えることはわかりやすいのですが、実は、近代日本の〈失敗〉の典型であるアジア太平洋戦争の種は、すべて日露戦争においてまかれているのです。私たちは、日露戦争が、一見すると〈成功〉の典型事例に見えるけれども、〈失敗〉の種がそこでまきつくされたということについてもう少し考えなければなりません。

 まず、日露戦争に勝利することによって、日本陸海軍が軍部──つまり政治勢力として──政治の舞台に登場するようになりました。軍の立場は、日露戦争をへることで強められ、かつ一つの強固な官僚組織として確立します。
 もう一つ、近代日本の大きな〈失敗〉の種がまかれたのは、日露戦争後、日本が韓国を併合してしまったことです。それまで韓国は、日本によって植民地化されつつあったものの独立国でした。

ちょうど今年(二〇一〇年)は「韓国併合」から一〇〇年という節目になりますが、この日露戦争をへることで、列強との間にある合意が形成されたことは意外に見落とされています。つまり日本の韓国支配を欧米列強が基本的に認めるかわりに、日本は欧米列強のアジア支配──当時、アジアのほとんどの地域は欧米列強の植民地だった──について認めるという取り引き外交がおこなわれたのです。
・・・ 日露戦争を日本陸海軍がどのように戦い、どのように教訓化したかが、後のアジア太平洋戦争での大きな〈失敗〉につながるのですが、本当は、日露戦争でも、陸軍・海軍ともに〈失敗〉に次ぐ〈失敗〉だったのです。しかし、ロシアの方がもっと〈失敗〉が多かったから、そして英米が全面的に日本を支援したために日本は「判定勝ち」を得ることができたのです。・・・」→全部読む

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